佼成図書館「あおぞら図書」 陶芸体験で“笑顔の花”咲く(動画あり)

「あおぞら図書」陶芸体験では、陶芸家の眞田憲成氏が参加者の質問に答えながら分かりやすく指導した

美濃焼、瀬戸焼、有田焼……。国内三大陶磁器が象徴するように日本の陶芸技術は世界的にも高く、美術工芸品として貴重な焼き物が少なくない。各地で体験教室が開かれるなど、陶芸は身近な趣味・習い事として人々の間で人気を集めている。

当日の様子(クリックして動画再生)

日本古来の伝統文化が改めて注目される昨今、『土と語らい、形を楽しみ、色を楽しむ…』をテーマに、立正佼成会の佼成図書館主催による「あおぞら図書」陶芸体験が7月20日、同図書館視聴覚ホール(東京・杉並区)で開催された。親子連れや陶芸愛好家など26人が参加。花瓶や湯飲み、皿など思い思いの“逸品”制作にチャレンジした。

当日は、神奈川・鎌倉市で陶工房「土歩(どっぽ)」を営む陶芸作家の眞田憲成さんが講師を務め、「手びねり」を参加者にレクチャーした。手びねりとは、焼き物用の土(球状)を手指でのばして器を成形する陶芸技法。手回しろくろを使いながら、土ひもを積んだり模様をつけたりできる点が特徴で、初心者でも気軽に取り組める。

手びねり技法を用いて成形された参加者の作品

友人と一緒に参加した女性(77)は、葉っぱをかたどった大皿を制作した。「講師さんが丁寧に教えてくださり、時間を忘れて取り組めました。緑色の釉薬(ゆうやく)がどのように器を彩ってくれるか、焼き上がりが楽しみです」と話した。また、延べ棒で一心に土をこねて花瓶作りに挑戦した兄(8)と妹(5)は「難しかったけれど、とても面白かった」と口をそろえた。

各参加者の作業台を小まめに回って指導した眞田さんは「『今日は、たくさん笑って面白い物を作りましょう』と皆さんに声をかけました。陶芸を通して、多忙な日常では経験できない、ゆったりとしたいっときを味わって頂くことが私の喜びです」と語る。

「あおぞら図書」は同図書館開館70周年を機に、「佼成図書館をより多くの人に知ってもらいたい。地域の人たちとつながりたい」との願いで昨年5月から実施。毎月、小説や絵本などの書籍を屋外で自由に閲覧できるよう提供するほか、読み聞かせや折り紙遊びなどを行っている。初の取り組みとなった「陶芸体験」について、今井里枝同図書館スタッフは「夏休みのお子さんをはじめ、大人も楽しく学べる体験学習の場として企画しました。今後も『誰でも自由に利用できる。ここに来れば誰かがいる。みんなが集まれる場所』をコンセプトに、世代を問わず皆さんが共に楽しめる催しを開いていきたい」と話している。

地域の人々とつながり合うことが「あおぞら図書」の願いだ

なお、参加者が成形した作品は眞田さんの工房で焼き上げられた後、8月25日以降に同図書館で各自に手渡される予定だ。