WCRP国際委と日本委、UNAOC共催「第2回東京平和円卓会議」 紛争地の宗教者らが集い、和解に向け対話(動画あり)

円卓会議を終えて

WCRP/RfP国際共同議長 エマニュエル・アダマキス府主教(トルコ・カルケドン長老府主教)

私たちは決して、全ての問いに答えを出そうという期待を持ってこの会議に出席したわけではありません。危機に瀕(ひん)する地域の問題を、平和的に解決する上で、貢献したいと思って来ました。

声明文では、ロシアとウクライナの両国に憎悪が拡大しないよう、人々に呼びかけています。今回の会議では、両国の宗教指導者が同じテーブルに着くことが重要だったのではないでしょうか。互いに直接会い、隣り合って座り、目と目を合わせて相手の話を聞いたというのは、大きな前進であり、将来への希望が湧く出来事だったと受けとめています。

RfPは対話を希求する組織であり、それが我々の使命です。ですから、私たちは門戸を決して閉ざしません。声明文でもその点に留意し、ロシアとウクライナ両国だけの話ではなく、柔軟な形で、他の地域を巻き込んだ表現にしました。我々宗教者が平和の橋渡しとなり、行動していきます。

WCRP/RfP国際名誉会長 ムニブ・A・ユナン師(ヨルダン・聖地福音ルーテル教会名誉監督)

RfPが私たちを一つにまとめなかったならば、世界中の宗教者が一堂に会することはありませんでした。会議では、日々の生活の中では耳に入らない他者の痛みをしっかりと聞くことができました。また、対話するだけでなく、祈りを共に捧げることもできました。信仰において、祈りは力の根源です。そして、他者に影響を及ぼす前に、自らの変革を可能ならしめるのが祈りでもあります。

今回、アビ・ダブシュ師(イスラエルのラバイズ・フォー・ヒューマンライツ最高執行責任者)と話す機会があり、互いの国の人々が抱える苦しみ、また、自らの経験について語り合いました。宗教者は人間の尊厳や平等性を尊び、(政治的背景や利害を超えて)人々を導く役割があります。私たち二人は、イスラエルとパレスチナの両者が併存することは十分に可能であると考えています。平和と正義、調和に基づいて、和解を進められると思っています。

WCRP/RfP国際委事務総長 フランシス・クーリア・カゲマ博士(WCRP/RfPアフリカ宗教指導者評議会事務総長)

今回の会議が開催された日本は、原爆を経験しました。その苦い経験を克服して、アメリカと和解し、とても友好的に、新たな関係をつくりました。そうした歴史から学び、対立が起きている地域においても、互いの幸せのために、そして、全ての人々の繁栄のために、新たな関係を構築できるでしょう。それは、長きにわたって暴力が続く場所でも可能だと思っています。

会議の目的や声明文にもあるように、赦しと和解を育むために私たちは集いました。私たち宗教者は平和の橋渡し役として、世界各地の紛争や戦争などで傷ついた人々を癒やすアプローチを続けます。そうして癒やされた人々が自分を傷つけた人を赦し、和解のための対話ができるように働きかけていきます。赦しと和解によって、人々が苦々しい気持ちを克服し、争いを乗り越えることができると信じています。