WCRP国際委と日本委、UNAOC共催「第2回東京平和円卓会議」 紛争地の宗教者らが集い、和解に向け対話(動画あり)
戦争・暴力下にある国々の宗教指導者、専門家や政府関係者が一堂に会し、諸宗教の連帯による和解と社会的結束の再構築に向けた戦略を見いだす、「『戦争を超え、和解へ』諸宗教平和円卓会議」の第2回東京平和円卓会議が2月19日から21日まで開催された。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会と同日本委員会、国連文明の同盟(UNAOC)の共催によるもので、東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京に世界16の国と地域から宗教者らが集結した。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が発生した2022年、平和や安全保障、人権といった世界的な課題の解決に向け、諸宗教の連帯によるこれまでの活動を刷新し、平和構築のための新たなアプローチが求められた。こうした実情から同国際委は同年9月、紛争地域から一定の距離があって「安心して意見交換できる場」として東京に、ロシアとウクライナの宗教者をはじめ、ブルキナファソ、エチオピア、ミャンマー、南スーダン、シリアといった世界各地の紛争当事国の宗教者や政府代表を招き、第1回の円卓会議を実施。宗教者の役割と和解に向けた対話の促進、諸問題解決への具体的な道筋について議論を重ね、暴力の連鎖の再発を防ぐための長期的な和解のプロセスの実施、同会議の継続などを定めた声明文を採択した。
この声明文を基にその後、各地で諸宗教による平和構築に向けた対話と信頼醸成の取り組みが進められた。しかし、21年2月1日に発生したミャンマーでの国軍のクーデターに端を発する内戦や、ロシアとウクライナの対立は今なお出口が見えず、昨年10月にはパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラーム過激派組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発。平和に向けた継続的な対話の必要性から、ロシア軍のウクライナ侵攻から丸2年が経つ2月に、再び東京で円卓会議を開催した。なお、同会議には、立正佼成会が一昨年に行った「ウクライナ危機への諸宗教ネットワークによる対話の取り組みと人道支援のための募金」(ウクライナ緊急募金)で全国の会員から寄せられた浄財が、実施費用の一部に活用された。
今会議には、同月に同国際委事務総長に就任したフランシス・クーリア・カゲマ博士(WCRP/RfPアフリカ宗教指導者評議会事務総長)はじめ、各国の諸宗教評議会(IRC=国内委員会)の代表者、紛争地域の宗教者や政府関係者ら約200人(オンラインでの参加者含む)が参加した。同日本委からは戸松義晴理事長(浄土宗心光院住職)を含む理事らが出席。本会から同国際共同議長を務める庭野光祥次代会長、同日本委理事の熊野隆規理事長らが臨席した。前回の会議に参加した紛争当事国のコロンビア、ミャンマー、ロシア、ウクライナに加え、ハイチ、イスラエル、パレスチナなどの代表者が集った。