中国政府が公式に認可する聖職者のデータをオンラインで公開(海外通信・本紙バチカン支局)

「中国国営新華社通信」は2月24日、同国政府が同日から「国内で法的に認可、登録されている仏僧と道教の教師に関するデータをオンラインで一般公開する」と明かした。同通信社の報道をもとに、ローマ教皇庁外国宣教事業部国際通信社「フィデス」が伝えた。

この情報システムは、政府が認可する2宗教の聖職者全員の姓名、性別、役職、写真、認可と登録番号を、誰でもオンライン上で閲覧できるもの。「中国佛教協会」「中国道教協会」「政府宗教局」「中国・チベット・ネットワーク」のウェブサイトに併設されているという。データは仏教、道教の共同体によって随時、更新されていくとのことだ。

新華社通信は、今後、聖職者個人に関する情報システムがイスラームやカトリック教会、プロテスタント諸教会の聖職者にも拡大されていくと報じている。中国政府が、公式に認可した聖職者のリスト公表に踏み切った理由として、同通信社は「宗教を使って利益を得ようとする偽の仏僧、道教の教師が存在するという混乱した現象への緊急対処」「通常の宗教秩序を守ることで仏教と道教の健全なる継承を擁護していく」ことと説明している。

また、「偽の聖職者が、宗教共同体のイメージを重大なる形で失墜させ、公共の秩序を混乱させるだけでなく、一般市民の健康、経済生活、財産に害を与え、社会的に大きな悪影響を与えている」とも指摘している。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)