耳の聞こえない人・聞こえにくい人のオンラインの集い 「目で学ぶ み教え 目で聴く 法座」(第2回)

体験説法の中で女性会員は、自分を支えてくれる人への感謝を忘れずに、心配りができるようになりたいと話した(「Zoom」の画面)

立正佼成会の令和4年次「『目で学ぶ み教え 目で聴く 法座』〈耳の聞こえない人・聞こえにくい人のオンラインの集い〉」の第2回が8月28日、ウェブ会議システムを使って開催された。全国から会員31人が参加した。

同集いは、本会が昨年まで実施していた「アイラブ団参」が名称を変えたもの。聴覚障がいのある会員が、オンラインを活用して共に教えを学び、交流を深めることを願いとしており、第1回は4月16日に行われた(既報)。

当日は、事前収録された読経供養と体験説法の映像を配信した。参加者に向けて、映像には字幕が表示されるとともに、手話通訳も付けられた。

体験説法を行った金沢教会の女性会員(41)は、1歳で先天性の難聴と診断された後、母親や言語聴覚士の尽力により、文字や身ぶりから言葉を習得した経緯を詳述。一般の学校に進学するも、コミュニケーションに苦戦し、心身のバランスを崩した過去を吐露した。その後、母の誘いで教会活動に参加したことや、発音の訓練を受けたことを機に、前向きな気持ちを取り戻せた喜びを述懐した。

事務員の仕事に就いた現在は、日常会話がスムーズにいかない時でも、佼成会で学んだ「相手の立場になって考える」という教えを胸に、周りの気持ちをくんで行動し、良好な関係づくりに努めていると発表。感謝の気持ちを忘れずに、相手への心配りができる自分になりたいと誓願した。

続いて、4班に分かれて法座が行われた。参加者は、手話が苦手なために苦労した体験、家庭や職場の人間関係の悩みなどを語り合った。この中でも、手話通訳や要約筆記のサポートが行われた。

増元優揮実行委員長(57)=八王子教会=は、全2回の集いを振り返り、「人それぞれの捉え方を聞ける法座の大切さを改めて感じました。その素晴らしさがもっと伝わるように、これからも取り組みを考えていきたい」と語った。