立正佼成会 庭野日鑛会長 10月の法話から

健康な身心であるために

誰もが日頃、健康を願っていると思います。私はいろいろなことを学ばせて頂く中で、「健康の三原則」 を教えて頂いたことがあります。

一つは、「心中(しんちゅう)常に喜神(きしん)を含(ふく)むこと」。心の中で深く深く喜ぶという意味です。

二番目は、「絶えず感謝の念を含(ふく)むこと」。

三番目は、「常に陰徳を積むこと」。陰(かげ)ながら善(よ)いことをすることだそうです。

いかなることがあろうとも、心の奥深いところにいつも喜びを持って対処すると、困難も逆境もいつしか越えられていく。人には運命と言われるものが確かにあるが、それは避けられない運命ではない。いかなることがあろうとも甘んじて受けとめ、喜神――喜びの気持ちを含んでコツコツと努力すれば運命は開かれ好転していく。そういう意味が、この「喜神」という言葉の中に含まれているのです。

こうした三つぐらいの大事なことを心がけて、一つ一つ日頃の生活の中で実践していくことが重要であります。
(10月1日)

画・茨木 祥之

生かされていることに気がつくと

私たちはよく「救われて有り難い」というようなことを申しますけれども、現実の自分自身を眺(なが)めてみて、何が有り難いのかというと、本当に目の前の全てが有り難いわけであります。

今こうして目が見えて、皆さんと対面しているわけですけれども、これがもう有り難いことであります。また、皆さんの声も聞こえてくる。これも有り難い。呼吸していないと生きていけませんから、今、呼吸ができること、これも有り難い。私は話すことは嫌いですし、下手ですけれども、そういうお役を頂いたこと、これも本当に有り難いことです。今、私は高齢になって、腰を曲げながら歩いていますけれども、自分の足で歩ける、これも有り難いことです。

私たちは呼吸ができますが、空気、酸素があって初めて呼吸ができ、死なないで済むわけであります。常に空気、酸素、水というものがなければ、私たちは死んでしまいます。そしてまたお日さま、そうしたいろいろなおかげさまで私たちは生きている、生かされているわけです。そうしたことを考えてみますと、本当にみんな有り難いことであります。私たちが生かされていることがいかに有り難いか、それに気づくことが大事なのだと思います。

私たちにとって本当の感謝とは、今申し上げたようなごくごく普通のことが本当に有り難いと思えるようになることです。普段の生活そのものが本当に有り難いと実感できる人間になっていくことが大切ではないかと、私は受け取らせて頂いています。
(10月4日)

自身に具わる仏性に気づこう

「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」という言葉で、全ての人は仏性を具(そな)えていると教えて頂いています。

本来、自分の身に具わっている仏性を成長させていくというよりは、お互いに仏性を持っていることに気づいていくことが大事ではないかなと思います。

そして、人から喜んで頂けるような人間として、日々、人さまのために活動して平和な世界を築いていこうと、元気に精進していく。このことが、私たちの日々の生活であり、一番大事であると私は思います。
(10月4日)