本会一食 「献金総額と手紙総数」発表 CCPへ手紙を寄託

日本の子どもたちからガザの“友達”へ――田中事務局長は平和と友好の思いを伝える手紙を見ながら、「現地の子どもたちも喜ぶと思います」と語った

昨年から始まった「いちじきキッズチャレンジ『ドリーム・ギフト』」は、日本の子どもたちが紛争で傷ついた世界の子どもたちの幸せを祈って「一食(いちじき)を捧げる運動」を実践し、その浄財で購入された「ギフト」とメッセージ(手紙)を贈る取り組みである。今年度の支援先はパレスチナ自治区ガザで、70教会が参加した。このほど、今年の献金総額と手紙の総数が、立正佼成会一食平和基金運営委員会(委員長=齊藤佳佑教務部長)から発表された。

全国から本部に届いた浄財の総額は302万2671円、手紙の総数は1596通に上った。10月31日、ガザで長年支援活動を展開している認定NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)の田中好子事務局長が本会を訪れ、同基金事務局長の秀島くみこ総務部主幹(渉外グループ)から、日本の子どもたちが書いた手紙が手渡され、その後、両事務局長が懇談した。

田中事務局長は、ガザの子どもたちの現状について、食料や水、燃料が不足し続ける中、学校閉鎖で勉強もできず、空爆などで負傷して障がいを負ったり、栄養失調に陥ったりしていて、今後は越冬できるか非常に心配だと述べた。CCPでは、子どもたちの命を守り、栄養を改善するため、一日に1000人分程度の炊き出しと100トンの水の提供を行っていると説明した。

これに対し、秀島事務局長は、一通一通の手紙には、“遠く離れた友達”であるガザの子どもたちに向け、「希望を捨てないで何とか生き延びてほしい」との願いが込められていると強調。「一食運動の実践を通じて親子で平和への思いを深める語らいの時間を持てた、実践の感想やガザのことを調べて学んだ内容を作文にして学校で発表したといった声が本部に続々と寄せられている」と話した。

田中事務局長は、日本語や英語、アラビア語でつづられた平和や友好の言葉にかわいらしい絵柄が添えられた手紙を見ながら、「心がこもった素晴らしい手紙で、ガザの子どもたちも喜ぶと思います。

世界中が“自分ファースト”のような状況の中で、自らの大切なものを他者に捧げ、思いやりの心を世界に広げることで、皆が平和に生きる道があることを示すドリーム・ギフトは本当に素晴らしい。ガザの子どもたちが食べることで健康的に成長できるよう浄財を使わせて頂きます」と述べた。

今後、浄財で購入されるギフトとして、炊き出し用の米、パスタ、肉、野菜などの食材や水が想定されている。手紙は撮影後に画像データにし、SNSを通じて現地の子どもたちにお披露目する。ガザへの物資搬入の見通しが立った段階で実物を手渡す予定だ。