佼成新聞バチカン支局開設から50年 「布薩の日」式典で宮平支局長があいさつ

佼成新聞バチカン支局の開設から50年を機に来日した宮平宏同支局長が10月15日、大聖堂での「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典であいさつを述べた。

宮平氏は、庭野日敬開祖が1965年に閉会式へと向かう「第二バチカン公会議」に招待されたことを述懐。ローマ教皇パウロ六世と出会い、「キリスト教徒が仏教徒のために祈り、仏教徒がキリスト教徒のために祈る」との教皇の言葉に感動した庭野開祖が、さまざまな宗教対話・協力にまい進していったことを紹介した。その出会いから10年後の1976年、バチカン支局が開設。これまで、教皇と庭野開祖との間で交わされた「キリスト教徒が仏教徒のために祈り、仏教徒がキリスト教徒のために祈る」との契りが、「どのようにしたら人の救いに結び付くのか」という視点を大切に取材、報道してきたと語り、カトリック信者の自分が「佼成新聞」でバチカン支局長を務められることは、両師の契りを証明する一つだと述べた。

また、両師が交わした言葉の背景には、法華経の壮大な宇宙観と、キリスト教の神による調和ある創造の宇宙観があり、それぞれが説く「生命体」としての宇宙観が、「人の救いの前提条件である世界平和の構築に向けて一つになっており、それが、庭野開祖の説いた『万教同根』『異体同心』『天壌無窮(てんじょうむきゅう)』の世界」と受けとめていると語った。その世界観が、庭野日鑛会長、そして庭野光祥次代会長へと受け継がれていることを伝えた。

第6回WCRP/RfP世界大会で、教皇玉座に並んで座る教皇ヨハネ・パウロ二世と庭野開祖(1994年、バチカン)

さらに、庭野開祖が何度もバチカンを訪れ、教皇の世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)出席を要請していた当時を回想。1994年、バチカンで開催された第6回WCRP世界大会の開会式に教皇ヨハネ・パウロ二世が出席したことは、「2千年にわたるカトリック教会史上で前代未聞の出来事」であり、会場である世界司教会議ホールの教皇玉座に教皇と庭野開祖が並んで着座した姿を見た時の感動を振り返った。そして、「『キリスト教徒が仏教徒のために祈り、仏教徒がキリスト教徒のために祈る』ことを最後まで信じ、その夢を未来に託された庭野開祖の姿をしっかりと胸に刻み、共に修行してまいりましょう」と語りかけた。