「ドリーム・ギフト」今年は70教会で実施

「ドリーム・ギフト」に参加する教会の一つである神戸教会では、8月9日、平和学習会を開催。少年部員、学生部員が、ガザの子どもたちに向けて手紙の作成に取り組んだ(同教会提供)
2024年に始まった「いちじきキッズチャレンジ『ドリーム・ギフト』」が今年も各教会で実施されている。
この取り組みは、日本の子どもたちから紛争で傷ついた世界の子どもたちに、現地で最も必要とされるものに手紙を添えてプレゼントすることで、子ども同士の心の交流を大切にするもの。3月から9月20日までの期間中、70教会が参加した。
それぞれの教会では、今年度の支援先であるパレスチナ自治区ガザで続く紛争の現状や平和に関する学習会を行った後、各家庭で子どもたちが世界の平和を祈り、目標金額を決めて食事や嗜好(しこう)品、ゲーム課金などを我慢した費用分を献金する「一食(いちじき)を捧げる運動」(一食運動)の実践に挑戦した。
さらに、イスラエルとの戦闘が長期化する中で、親を亡くしたり、家や財産を奪われて故郷を追われたりしたガザの子どもたちの幸せを一心に願いながら手紙をつづった。
参加教会のうち、神戸教会では4月、一食運動の意義や支援先に関するPRチラシを作成した。5月11日に教会道場で開かれた発足75周年記念の感謝祭「苗代フェス」で青年部がドリーム・ギフトのブースを設置。式典に参加した親子にチラシを配り、一食の実践方法や手紙の作成手順を説明して参加を募った。
8月9日、同道場で開催した平和学習会には青年を中心に会員約40人が参加。活動責任者の学生部長(40)がガザの被害状況について解説した後、ドリーム・ギフトのウェブサイト上に掲示されたパートナー団体である特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)による支援活動報告の動画を全員で視聴した。
その後、ガザの子どもたちに向けて平和の行動を起こそうと、少年部員、学生部員が手紙の作成に取り組んだ。男女部員の協力を得ながら、鮮やかな絵を描いたり、立体風に飛び出す折り鶴や花を貼り付けたりしたカードに、「Love from Japan」などの平和と幸福を願う英語の短文を添えた。

紛争で傷ついた子どもたちの幸せを願い、世界平和の祈りを込めた手紙が出来上がった(同教会提供)
参加した小中学生は、「苦しんでいる子どもたちの力になりたい」「将来、日本が戦争などへ向かわないよう、大人になったら投票に行きたい」などの感想を語った。学生部長は、「子どもたちは一食の実践から布施行の大切さを肌身で感じられたと思う。相手を思いやれる人に成長してもらえたら」と話した。
今後、各教会から本部に寄せられた募金と手紙はCCPに託され、現地でギフトが購入されて手紙と共に贈られる予定だ。ギフトを受け取った子どもたちが、手紙やビデオメッセージを日本に送ることも計画されている。