令和に入り初めての「元旦参り」 世界平和を祈念し菩薩行を誓う
立正佼成会の令和2年次「元旦参り」が1月1日朝、大聖堂(東京・杉並区)をはじめ各教会で行われた。「元旦参り」では、世界の平和を祈念し、それぞれが仏道精進を誓願する。
元日の祥気が満ち始める早朝、大聖堂には、主に東京東、同西支教区の会員が参集。板橋教会の学生部員、青年女子部員が制服や振り袖姿で「あけましておめでとうございます」と声を掛け、参拝者を迎えた。
午前6時、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、庭野日鑛会長が年頭誓願文を奏上した。庭野会長はこの中で、本会の礎(いしずえ)を築いた庭野日敬開祖、長沼妙佼脇祖をはじめ先達の尽力に触れながら、教団創立100年を展望して人材育成に全力を注ぎ、「即是道場(この処は即ち是れ道場なり=このところはすなわちこれどうじょうなり)」との精神をもって、菩薩道の実践に邁進(まいしん)していくことを表明した。
また、「人間は一人ひとり、独自の個性を持ちながらも、万人に共通する本性を蔵(ぞう)するとされています。同時に誰もが、『生き甲斐のある人生を送りたい』と願っています。そのことは、ただ漫然と生きていたのでは実現しません。それには生きるための道しるべとしての宗教が必要です。私たちは、本年も一人ひとりが仏教徒として、人々の心が平安であることを願い、平和で調和のある日本、世界の実現に向けて大乗菩薩道を歩んでまいります」と誓願した。
この後、再び登壇した庭野会長は、「即是道場」の意義を説明。各人にとって教会や地域道場は稽古場であり、それぞれが精進する本場所は家庭や職場、学校、社会であると説示した。その上で、日本が平和であり、世界に貢献できる日本であるために、「お互いさまに家庭、職場、学校、地域でしっかりと精進させて頂きたいと思います」と述べた。
一年の始まりに、目標を立てる参拝者
この日、妻と母親と訪れた目黒教会の男性(39)は、「ちょうど2年前の元日に入籍しました。今、妻のおなかには新しいいのちが宿っています。これまで多くの方に支えられて今があり、その感謝の思いで参拝させて頂きました。家族を大切にし、楽しい家庭を築けるよう努力します」と語った。また、父(55)と、2月に出産を控えた娘(28)とで参拝した大田教会の親子は、「先ほど、サンガ(教えの仲間)で集まり、今年は『明るく、優しく、温かく』に加えて、『丁寧に』という言葉を頂きました。何事も一つ一つ大切に取り組みます」と声をそろえた。
バトンチームに入っている世田谷教会の学生部員(16)は、「困ったとき、悩んだとき、先輩に聞いてもらって乗り越えてきました。私も先輩のように、相手の思いを受けとめ、励ませるように成長することが目標です」と話した。
なお、「元旦参り」の開式に先立ち、庭野会長は一乗宝塔を参拝し、屠蘇(とそ)を奉納した。