「中央アフリカの諸宗教者 第10回WCRP/RfP世界大会へ」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

中央アフリカの諸宗教者 第10回WCRP/RfP世界大会へ

8月13日付のバチカン日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」は、同20日から23日までドイツ・リンダウで開催される第10回世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)世界大会に参加する中央アフリカの諸宗教指導者に関する記事を掲載した。その中で、「『慈しみの実践:共通の未来のために』をテーマに開催される同大会で、中央アフリカのための特別セッションが予定されており」「同国の諸宗教指導者たちが800人を超える参加者たちと体験を分かち合う」と報じた。

中央アフリカでは、1960年にフランスから独立して以来、クーデターが頻発して不安定な政情が続く。度重なる紛争は国家の経済や開発に大きな打撃を与え、世界の最貧国の一つに数えられている。

また、同国での近年の内紛は、ムスリム(イスラーム教徒)を名乗る武装勢力の連合体「セレカ」と、キリスト教徒を名乗る武装組織「アンチ・バラカ」の闘争に発展しているとの見方もある。今年2月、紛争当事者間で和平と和解のための合意が成立した。それを支援する諸宗教組織とフィンランドのNGO「フィン教会支援機関」(Finn Church Aid)はこのほど、中央アフリカの首都・バンギで、「和平政治合意の実現に向けた対話を容易にするためのロードマップの作成と、諸宗教者たちの活動を調整する円卓会議」を開催した。

同機関のウィリアム・レヌー調整役は、円卓会議が「中央アフリカの諸宗教者たちにとって、WCRP/RfP世界大会でどのようなメッセージを発信していくかを検討」する機会になったと述べた。また、「多くの諸宗教指導者たちが、和平と和解へ向けた政治合意を実現するための対話に参加していくことが本質的な課題」であると表明している。

同紙は、「中央アフリカで『平和のための諸宗教者のプラットフォーム』が活発な活動を展開している」と報道。その指導者として、ドゥードネー・ンザパラインガ枢機卿(カトリック)、ニコラス・グエレコヤメ牧師(プロテスタント)、イスラーム指導者のラヤマ・コビン師の名を挙げている。

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