倫理的中道を徳とみなす上で大事なのは、価値の共創という視点である。現在の日本政治では、価値を語らないリベラリズムと、感情を煽るポピュリズムが、結果として倫理を空洞化させてきた。リベラル政党の弱点は、ここにある。私たちの選挙分析では、立憲民主党の支持者には(徳や、心の豊かさ、脱物質主義などの)価値を重視する人が多いが、この政党は価値を訴えないので、支持層は棄権に回っていることが多く、伸び悩みの原因となっていた。
]]>前回、私は「国難の昂進」と題して、現在の日本政治が、上からのポピュリズムと下からのポピュリズムの結合によって、危険な局面に入りつつあることを論じた。外交の失態、経済運営の無責任さ、そして何よりも、政治における倫理性や精神性の空洞化が、国全体を不安定にしていると診断したのである。
]]>米国のカトリック司教会議が、米国とソビエト連邦(現・ロシア)間での冷戦と核戦争への恐怖が頂点に達した世界に向けて、『平和の挑戦——神の約束とわれわれの応え』と題する司牧書簡を公表し、核軍縮や軍拡の停止を訴えたのは1983年のことだった。この司牧書簡は、世界のカトリック教会のみならず、国内外の一般世論にも大きな影響を与え、89年のベルリンの壁崩壊へ向けて道を拓(ひら)くことに貢献した。
]]>私たちがよく知ることわざに「ローマは一日にして成らず」というものがあります。壮麗なローマ帝国も、まちの制度や整備は一朝一夕にはいかず、長い年月をかけて形づくられているという意味です。
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