「法華三部経」の要点

常不軽菩薩品第二十(じょうふきょうぼさっぽんだいにじゅう)

「如来寿量品」でお釈迦さまは、私たちのいのちの本質が、尊い仏性〈本仏と一つの永遠のいのち〉だということ、さらに、すべての現象は私たちを成長・向上させるための本仏の慈悲であることを説かれました。

そうした「仏さまのおかげさま」を、ほんのわずかでも感じたとしたら、その瞬間、私たちは「自らのいのちの尊さ」に気づいたといえます。そして、開祖さまが私たちに示してくださったのは、「あなたたちは価値のない見捨てられた人間ではない。みな神仏につながる種を宿した素晴らしい存在なのだ」という常不軽菩薩の希望のメッセージです。

常不軽菩薩が、出会う人々に対して「あなた方はみんな仏になられる方々です」と言って合掌・礼拝(らいはい)し、仏性礼拝行に徹したのは、そのことに気づいてほしいという呼びかけです。

また、常不軽菩薩は、仏性礼拝行によって『法華経』を悟り、今度は人のために広く教えを説きました。その功徳によってますます多くの仏〈法〉に遇(あ)うことができ、さらにその教えを説くという繰り返しによって、ついに仏となりました。このことは、常不軽菩薩の生き方が、真っすぐに仏になる道であることを示しています。

仏性礼拝行は、「一乗の教え」を基本とする本会の行法(ぎょうぼう)の核心であり、菩薩行の大眼目(だいがんもく)なのです。

如来神力品第二十一(にょらいじんりきほんだいにじゅういち)

「常不軽菩薩品」の最後でお釈迦さまは「真心を込めて教えを説き広めれば、回り道をすることなく仏の悟りに達することができるでしょう」と説かれました。この品では、その言葉を受けて、菩薩たちが「必ず教えを説き広めます」と誓います。

すると、お釈迦さまは、舌を天高く伸ばしたり、全身から美しい光を出したり、地面を振動させたりと、不思議な大神力を現されます。これらは仏さまの大慈悲心を象徴する現象です。

なかでも、最後の神力は、世界が一つの仏の世界になる様子を人々の目に映し出します。いつかはすべてのものが、一つの真理のレールに乗って、完全に調和した世界、すなわち一乗世界をつくることができるという究極の理想を表しています。これは、仏さまの教えを実践すれば理想は必ず実現するという、仏さまの保証でもあります。

嘱累品第二十二(ぞくるいほんだいにじゅうに)

「嘱累」とは、面倒を頼むということです。お釈迦さまは、『法華経』の布教伝道をすべての菩薩たちに託されます。そして、菩薩たちは固く固く、実践をお誓いします。

お釈迦さまは後世の私たちにも、「この教えを広めていくことは誠に大事なので、どうかしっかり伝えてください。頼みますよ」と、深い信頼を寄せてくださっているのです。私たちも菩薩たちと同じように布教伝道をお誓いさせて頂きましょう。

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