立正佼成会 庭野日鑛会長 11月の法話から

11月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。

有り難く受け取っていく訓練

私たちは、日頃、ついつい不平不満を言ったり、愚痴を言ったり、泣き言、悪口、文句を言ったりしてしまいます。なかでも最も悪口を言いやすいのが、お天気なのだそうです。

今日は、好天に恵まれていますので、不平を言う人はいないと思います。ところが、雨でも降っていますと、「今日も雨だ」と、朝起きて、最初に文句を言うのはお天気です。「雨だから洗濯物が乾かない」とか、次から次へと文句を言ってしまうことがありがちです。

文句を言ってしまうのは、一体どこからきているのかというと、まず親が口にしているのです。「今日は雨だから、どこも行かないことにしよう」とか、そういうふうにお天気に文句を言います。それを子供は生まれた時から聞いていて、刷(す)り込まれてしまっています。ですから、本来、私たち大人は文句を言わない、悪口を言わないようにしなければなりません。

お天気は、人ではなく、大自然の現象ですから、文句を言いやすいのです。それを子供が聞いていて、「雨の日は悪い天気なんだなあ」「晴天の時はいい天気なんだなあ」と受け取ってしまうわけです。そのような幼い頃からの親の刷り込みが、文句につながっていきます。そして、文句を言っていると、だんだん私たちは、感謝を忘れてしまうのです。

上智大学にアルフォンス・デーケン(同大学名誉教授)という方がおられます。この方は、雨が降ると「ハレルヤ」、晴天では「アーメン」と言うことを宣言されたカトリックの先生です。「ハレルヤ」には、神さまの恵みは素晴らしいと讃歎(さんたん)する意味があるそうです。「アーメン」は、「神さまの思(おぼ)し召(め)しのままに」という意味です。ですから、晴れても、雨が降っても、文句を言わない。神さまの有り難い恵みだ、神さまの思し召しのままだ、と捉(とら)えているのだそうです。

キリスト教の方々がそのように受け取っておられることを、仏教徒である私たちも大いに学んで、文句も悪口も言わないようにしたいものです。それには、日頃から、全てを有り難く受け取っていくという感謝の気持ちを、なるべく多くしていく訓練が大切になります。お互いさま、そうしたことに気をつけてまいりたいと思います。
(11月1日)

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