TKWO――音楽とともにある人生♪ アルトクラリネット・新井清史さん Vol.3

最初は音が出なかったアルトクラリネットを通じ、新井清史さんは音楽の奥深さを再認識した。アルトクラリネットの魅力や役割、練習に励む学生に対する心構えを聞いた。

目立たないからこそ重要な楽器

――アルトクラリネットの魅力とは

アルトクラリネットって、本当に目立たない楽器で、大きな音も出ないし、仮に楽団の構成に無くても演奏が成り立ってしまうような地味な存在なんですね。音程を安定させて吹くのが難しいのになかなか注目されず、演奏会に来ても、アルトクラリネットの音は恐らく、「聴こえない」と思われてしまいます。

でも、そう聞くと良いところがない、目立たないというアルトクラリネットですが、実は大切な役割を担っています。演奏に彩りや奥深さを加えることができる、味のある楽器。それがアルトクラリネットの魅力です。

時には他の楽器に寄り添い、ある時は楽器の橋渡し役を担う。フルートやトランペットと共にメロディーを吹くこともあれば、ホルンやトロンボーンと伴奏を奏でることもあります。楽曲の中で役割の切り替えが必要なので大変ですが、それもアルトクラリネットの楽しさの一つです。

――マラソンの伴奏者のような存在ですね

本当にその通りだと思います。アルトクラリネットはあくまでも、主役から一歩引いた存在なのですが、合奏にはそういう役もいないといけません。目立つ存在として自分好みに吹くのではなく、それぞれの楽器に寄り添い、合わせながら吹く必要があるので、そうした難しさはありますが、それがまた楽しくもあります。さまざまな楽器の演奏にうまく合わせられた時には、<やったー!>と心の中でガッツポーズしてしまいます。

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